J-CLIL第29回例会
5月21日(土)に対面・オンラインのハイブリッドで行われました、第29回J-CLIL例会の報告です。
日時:2022年5月21日(土)午後2時~5時30分 場所:早稲田大学戸山キャンパス32号館127教室+オンライン(Zoom)
<発表1>
CLIL的にみる英語ニュース
田中孝宜(NHKラジオセンター)
本発表では、NHKラジオ番組のキャスター業務を通して日々接している海外メディアの英語ニュースをCLIL的に考察し、授業での活用の可能性を報告した。多様なコンテンツを学ぶことで外国語学習を行なうCLILにおいて、英語ニュースは最適な教材に一つである。報告では、日本の「ブラック校則廃止」について報じた記事を使い、CLILの4Cを生かした授業を考えた。生徒は、日本語と英語の原稿を見比べることで、自然な英語の表現や語彙を学べる。また英語の原稿には「校則とは何か」「今なぜ見直しなのか」などの説明が加えられており、異文化コミュニケーションの参考になる。このようにCLILに活用できる海外メディアの英語発信が増加していることも紹介した。
<発表2>
日本のCLILはどこへ向かうのか:J-CLILの役割<J-CLIL会長退任記念講演>
笹島茂 (CLIL教員研修研究所)
発表では、CLILと出会った経緯、J-CLILの前身として東洋英和CLIL研究会、J-CLILの発足の経緯、その後の5年間の活動などを、発表者のティーチャリサーチャー(teacher researcher)の視点からふり返った。特に、大会の発表、ニューズレターの記事、JJCLILの論文、CLIL実態調査の結果などを精査すると、多様で、公平で、包括的なCLIL研究実践が行われてきていることが示唆されると述べ、そのことから、今後の日本のCLIL、あるいは、J-CLILがどのような方向に向かうかを考えた。しかし、CLILがどこに向かうかも多様性(diversity)、公平性(equity)、包括性(inclusion)の延長にあり、それがCLILの利点でもあると理解し「Just the way you are」と結んだ。
最後は池田真・新J-CLIL会長とともに会を締めくくった。
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